ハロウィン企画?で緑のゴースト部隊機など。つい最近デカール替えで発売になったH社新製品キットを使用。以前にもRAAFのボーファイター出てましたが、今回の眼目はこの緑幽霊隊の方向舵に大きく描かれた個機ごとのイラスト。なかでも作例に選んだヤツ「Pistol Packin' Gremlin」号は、かなりはじけててステキです。(^^; 機首に書かれてる「Babs」(キット付属のデカール「Babe」はスペル・ミス。要修正)は、「Bab」がバーバラ(Barbara)さんの愛称なので、搭乗してたL. W. Mutton准尉(?)かC. G. Curthoys飛曹(?)、たぶん機長Muttonさんのいいひとか奥方がバーバラさんで、彼女に敬意を表したものかと。 

先にハロウィン用の大きなカボチャ大王と並べて撮りましたが、実は本来のディスプレイ構想は、↓こんな感じ。まずまず当初の目論見どおりに。えっへっへ。今回は機体のドラマ/逸話なんかより、このディスプレイスタイルが先に頭の中にできあがった1例ですな。旗持ちのゴーストは名にし負うブロック玩具の大傑作、レゴから。カボチャ楊枝はたまたまみつけた季節もの。

機体の角度的には↑こっちの方が見栄えしますわね。風防が光っちゃってたりはアレですけどさ(汗)。

またいつものハイブリッド塗り(下塗りにシュバルツグリュン、上塗りはクレオス302番のチャコールリザード用グリーン@キット指定、あとはデュンケルグリュンや海軍機濃緑色をちまちまと)ですが、なんだかパネルの塗り分けがわざとらしすぎ(汗)。実戦参加後2ヶ月たらずで終戦の機体ですからして、塗装剥げなど、ウェザリングはいつもよりずっと控えめで。

カウル前縁とスピナの、ややツヤのある黒塗りは実機写真より判定。エンジンギアハウジングも黒の可能性あり。

主翼武装は、Mk.21の後期生産機では左右それぞれ50口径2門になってるとのことで、そのように銃口を開口。ただし、実際に豪州製の何号機めから50口径装備なのかは不明です。また50口径装備機は、翼の前縁から銃身が突出する模様。ロケット弾常用機は主翼武装を下ろしてる印象もあって(ロケットのブラスト板が薬莢排出口を塞いじゃう?)、今回は銃口をパッチで塞いだ形にしてみました。

左翼前縁の着陸灯は、RAF機だとロケットのブラストをかぶって破損するゆえにカバーかかってたり廃止されてたりしますが、RAAF機の場合はそのまま剥出し(汗)。

ゴーヤー型の排気管は、キット付属のメタル部品だと先細り形状ですが、RAAF機では寸胴型かもしれませぬ。このメタル部品の収まりがイマイチ。要仮組み。カウルからこの排気管にかけての塗りは、よいアクセントなのでがんばりましょう。(^^;

豪州空軍第93飛行中隊は、45年の終戦まであと少しの頃、6月から実戦に参加した模様。大戦に参加した豪州ボーファイター部隊のトリを飾る部隊。ボルネオの北辺にあるLabuan島の基地に進出、付近の敵性船舶や飛行場など地上目標の攻撃にあたったようです。油槽船と思って攻撃・撃破した船が、実はボルネオ方面貴顕の御方が所有する大型ヨットだったとか(汗)、衝突事故で機体と人員を複数失うなど、短い任務期間にもいろんなことがあった模様。また、終戦後には日本に進駐する豪州空軍マスタング部隊のエスコートとして、Labuan島→クラークフィールド(フィリピン)→那覇→岩国のコースで飛来も。46年の3月に、岩国で雪をかぶって駐機中な、緑幽霊隊機の写真が残っております(同年の8月には部隊解散)。はるばる日本まで来たんですなぁ。ひょっとすると岩国周辺には、まだこの部隊のフォリッジグリーン幽霊ボーファイターを見た記憶をお持ちの方がみえるかも、でしょうか。

降伏した敵国・日本が、進駐してきた連合国飛行士たちの眼にはどう映ったのか、そして彼らの駆る機体が、うちひしがれた日本の人々にはどう見えたのか、これもまた秋の夜長にふと考え込んでしまう事柄ではあります。さらに言えば、米軍はともかく、遥々やってきた豪州空軍をも含む英連邦の飛行士達に、2つの被爆都市がどう見えたか、どんな風に感じたかも、気になるところですが。

おでこにのっかる透明カバー内のループアンテナ(方向探知機用?)は1個らしく。

また後席キャノピーはキットで指定されてる閉じてるタイプではなく、後部に開口のある形。だもんで、キットの使用しない部品の窓枠を削り取って、後方開口部の形状を軽く修正して使用しとります。ビミョーに形状の違いがある気もしますが。(^^; (後席透明部品の選択により、同部胴体の部品も形が違いますんで要注意ざんす)  この後席には、機銃は積んでない感じです。

アンテナ線はトラウト釣用の3lb.testライン。支柱と尾翼の基部を真鍮材で。そうそう、翼端灯は透明カバー内に色電球タイプ。さらに主翼端後縁にも棒状の翼端灯が突出してる可能性あり。

透明部品は全部マットメディウムで止めてありまする。いちばん大きな前席キャノピーは軽くすり合わせしたら抜群の合なんで、はめ込んだだけで止めてありませんが。(^^;  そのデカイ透明部をとおしてよく見える機内はシートベルト追加と照準ガラスの置換だけで放置。しかもベルトの形式がおかしいかも?(汗) 

カウルとスピナの黒塗り、塗ってない方が全体のまとまりが良い感じ(汗)。でもまあ、実機写真でそうみえるんだから仕方ないですわな。機体色より暗く、またタイヤよりも暗く写ってますんでねぇ〜。同部隊の他の機体でも同じようなもの複数。

ペラが気持ち細いかも?ですので、どうしても気になると言う向きには流用できるものなど捜索されたし。今回は右のペラがスムースに廻らなくしちまった(最後の方で軸に塗料が入り込んだ)のが痛恨(涙)。上の画像でペラがぶんまわってるところを想像してごらんなされ。そりゃあもうステキですわね。(^^;

カウル内のエンジンは、同社の屠龍みたいな省略は無しでシリンダーがちゃんと。プラグコードは後ろからまわるタイプでもあり、つけず。(^^; 残念なのは、このエンジンが少し奥まり過ぎなことですな。もう少し前に出して、よく見えるようにしたかったんですが、ギアハウジング部との関係で良い方法が思いつかずにそのまんま。それと、エンジン前部のカウル内に、数本のスポーク状支持棒?みたいなのがあるように思いますが、くわしく見ておりませぬ(謝)。

* その後、幼虫さんとこの画板で、赤とんぼワークスさんご提供の実機写真など拝見(感謝)。このエンジン、シリンダーから排気管が前方カウル内側へ伸び、さらにギアハウジングからはステーが出てる模様。ここらの構造を再現するのであれば、カウル前縁が別部品になってるこのキットは作業がしやすいかと。その点では、やや奥まりすぎと思える配置もこれで適切かも、ですね。ちなみにその排気管+ステーの入り組んだ構造は、48や32のキットでも再現されてはいないよーですが。(^^;

ロケット弾、欧州方面では半徹甲弾頭の25lbが好まれたようですが、太平洋ではどっちかと言うとキットの60lb破砕弾頭らしく。この弾頭を赤く塗ったのは、SAM本のイラストによります。低空で突込みすぎて、自機が発射したロケット弾の爆発で損傷した機体もあった模様。

その弾頭に尻尾みたく下ってるのは「Pig Tail」安全コード。離陸前に地上員がこれを引き抜けば、弾体が発射可能状態に。これの色もとても暗く見えたんで黒に。金のプラグ?部は単なるアクセントですな。(^^; それにしても、72でやっちゃとオーバースケールですわね。わはははは(汗)。

しかし、これが這うような高度を高速でロケット弾抱えた姿で自分の方に向かって突進して来たら、ヒジョーに怖いでしょうな(汗)。しかも胴体下には20mm砲4門と来たもんだ。機体の名称には「Fighter」入ってますけど、魚雷も積めるしどっちかってぇと攻撃機、Attackerですわね。

ラダーのイラスト、1機1機それぞれに興趣しろい図柄ですが、本機のはサイズが大きいんですね。はぢけてるグレムリンの右腕上に、3本線がありますが、ここに実機では「Pistol Packin' Gremlin」の文字も入ります。

右舷胴体下側に突出してるのは、垂下アンテナの繰出ガイド管。

上下貼り合せの主翼はじめ、翼後縁はすっきり薄くしたいところ。中途半端ですみませぬ(汗)。

これをやってて思いましたが、わたしゃモスキートよりもボーファイターが好きですね。あっちはどうも整いすぎ、完璧すぎて?(^^; ホレ、あまりにも美人だと最初っからむしろ避けちゃうってアレと同じ? ←意味不明発言は止しなさい

くくっと角度のついた「水平」尾翼がとても効果的に勢いをかもしだす機体ライン。液冷のマーリン積んだのもありますが、ここはやはり空冷ハーキュリーズのこの形がお似合いかと。ボーは戦後も使われていて、中には機首に大きなレドームつけたり、垂直尾翼前にこれまたでかいフィンを伸ばしたりした機体もあるんですが、鼻先のコブ(自動操縦装置関連。実際は中身カラッポのままだった機も多いとか?)が個性的な魅力をどーんと増してるこの豪州ボー嬢は特にお気に入りです。いいわあ。

方向舵のマーキング、ええ感じですっとんでますでしょ。あ、そうか、豪州機だから苦瓜排気管の傍にクロコダイルの財布でも置けば良かったかも? ←発想があまりに単純すぎ

尾灯は1個。キットの2個のモールドで、上のを削り取りますな。

尾輪、案の定、作業中に折ったんで(汗)、真鍮線を芯に入れて修復。

「A8-116」の機体ナンバーはたぶん明るいグレイであって白じゃなかろうと。字が細いので、白でもなんとなく灰色っぽく見えるんでそのまま。(^^;

他にはトリムタブの作動棹なんか追加工作すると精密感も出るんでしょうが、それやっちゃうと今度は機体のアッサリめな表面モールド(実機は結構ごつい)が気になりそうな気もしてストップ。(^◇^;  毎度ながら、そんなところで御勘弁くだされたく。m(_ _)m

ハロウィン。万聖節祝日の前夜、10月31日の祭典。スコットランドやアイルランド方面、すなわちケルトに源あり、と。ケルトの1年では10月31日が大みそかなんですね。で、その夜には死者の霊が家に帰ってくる。時期的にみれば、こりゃあどうしたって元は秋の収穫を寿ぐ祭りだったろうと思うんですが。「Trick or Treat !」でまわっても、よその子みんなになにかあげられるくらいには、各家とも潤沢な収穫を得ている季節。さあ、この収穫できびしく暗い冬を越そう、そんなお祭りだろうと。自然への感謝を忘れちゃアカンですね。少なくとも日本に関する限りでは、聖誕祭で謎のイチャイチャ祭りに走るよりは秋の収穫祭を祝うほうがよほど健全かと。(^^; これが魔女だのゴーストだのに彩られてるのは、基督教によくある「既存の宗教は皆あしきもの、悪魔のわざ」っちゅーアレでは(汗)。

カボチャってのは巨大に育ちますし、育て方が上手だと王様にもなれるという(カンボジアの実話)豊穰なる大地の象徴ですわね。近年はカボチャランタン(ジャック・オ・ランタン)用のカボチャも出回ってますが、あの暖かみのあるオレンジ系色ってのが秋そのものの色でもあり、また緑色との相性が大変によろしい(東海道線?)。その2色の取り合わせも今回最初から頭に浮かんでた構図なんですけど、作例機のラダー、グレムリン絵にご注目。そのズボン。ほぅら、当時これを描いた豪州の数奇者も、その色同士の組み合わせの妙をちゃんと心得ていらしたようで。

──いや、ホントは白黒写真ですからして、カーキ色かも知れず。(^^; するとデカール作った方のセンスってことに。東海道線沿線でしょうか(笑)──

長い大戦争もまもなく終る、そんな、暗いトンネルの先にみえてきた出口みたいな明るさの気配が、この部隊のマーキングに感じられはしますまいか。なにしろ豪州は、本土を直接攻撃された経験を持ってますしなぁ。──いくさの後の「収穫」がどうだったかはさておき。

そんなことで、今回は、以上で終了であります。まいどおつきあいのほど、ありがとうございました。m(_ _)m

本機製作中にはmayonakaさん、カンダさんより資料支援を、筆一さんから金属剥出し部の塗りについてアドバイスを、それぞれ拝領しましたです。感謝〜。そのご厚意が愚作に反映されていない場合は、全くもって私の不手際、未熟さによるものでございまする。すびばせん〜。(T_T)


<参考文献> 

他には例えばお馴染みのIn Actionにもボー本がありますが、豪州機となるといずれも物足りないわけで。(^◇^;
そうだ、T社の48キットが多少の資料にはなりますね、わははは。
48といえば、Eagle Strike社のデカール新製品で
http://www.eaglestrikeproductions.com/cgi-bin/espdecals.pl?scale=48&setid=155&dbs=eaglestrike&pgs=2&currpg=1&dclimg=es48155
が。この緑幽霊隊特集ですわね。48でやるなら蜂のヤツかなぁ。

(2004年10月26日初出)


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