この名作48キット、指定の塗装/マーキングでは紹介記事作例でお馴染みになりすぎて意外性もなく(汗)、Mk.3でもなにか変わった塗りを探しての今回2機。こちらはいわゆる" Speed Silver "全面塗装のミーティアMk.3標準型。ただ、写真を見てますと、「あら? ここは何か色が違う様子。ひょっとして赤かしら?」てなことでまたしても勝手に盛り上がりまして。(^^;

そもそも機体のレターが赤だろうと。そこで「緋文字」、などと思いましたが米機じゃないし(汗)、それなら「緋色の研究」で生粋の英国趣味、ベーカー街221番Bで行こうという次第。機体もRAA-BでBだし。(^^;

「あなたアフガニスタンへ行ってきましたね?」「ど、どうしてそれがおわかりですか?」私はびっくりした。「いや、なんでもないです」彼はひとりで悦に入りながら、「それよりも問題は血色素ですよ。この私の発見の重要さは、むろんあなたも認めてくれるでしょうな?」

巻頭、ワトスン博士とホームズの出会いの場面(新潮文庫版、延原謙訳より)。つまりこの「緋色の研究」こそは、ホームズが最初に登場した物語なんですね。「無人島に一冊だけ本を持っていっていいなら広辞苑」と言っていた、故・開高せんせをして「ホームズ物は繰り返し読むに価する」と言わせ、「オーパ!」紀行最初のアマゾン釣行へも文庫本がお供したなどというのはさておき。

金属肌の無塗装機はともかく、全面銀塗装の機体は以前にモスキートでイマイチ納得のいかないスカタンな結果に終っていたので再挑戦でもあり。Speed SilverならぬNostalgic Silver的な仕上がりを目標に、↓これが頭の中にあったひとつの見本。

↑長年の相棒が履いている無限製ホイール。かれこれ14年めにもなろうというヤレ具合もステキな(笑)マグネシウムホイールでございますね。(^◇^;) このやや鈍いながらも輝いて、しかもメタリックなのに冷たくは無い、暖かみのある感じが「懐旧的銀塗り」の目標。

塗りは毎度のハイブリッド。クレオスの「スーパーメタリック」系が大活躍で、下地の黒、そこに素の8番をいずれも薄めに吹いた上からチタンとファインシルバーをコテコテと筆で。無塗装機に見えないように、銀塗装機風にするってのも、わりと難しいもんです。(^^;  モスキートの時より少しは進歩したかしら〜。(^^;;;;;

胴体レターの色は、本によっては黒としてますが、モノクロ実機写真(Warpaint本にあり)でラウンデル部などと比較すれば赤の可能性大。そこに目をつけたのがダッチデカールさんですね(レター類はダッチ製、ラウンデルや細かなデータ類はキット付属のデカールで)。「ダッチデカール」K4/12: RAF Postwarシート(http://www.dutchdecal.nl/kaw.htm)。で、さらに写真をじっと見ると、キャノピー風防部の枠が暗い。なにか機体の銀では無い暗色。黒やダークグリーンでもいいんですが、反射除けの塗りはしてないし。そこで戦後のグリフォン載せた全面銀色スピットファイアにやはり赤いアクセントマーキングで風防枠も赤く塗ってるのがあったのを思いだし、「あ!」というわけで赤に。雰囲気としてはかなり良好と思いますが、いかがでしょう。なお、レターの字体が一部異っていて、例えば「A」の横棒などはもうちょい上が正解なんですが、これを他のデカール等で全文字調達しようとすると、「A」がだぶってるために余分なシートが必要なんですね。ちょっと厄介。

翼端灯はMk.3では色つきカバー。これが8だと透明カバーに色つき電球で、4では両方あるよーな無いよーなごにょごにょ(汗)。

古き佳き時代のムードが?  Sea Meteorのほうが武装下ろして銃口塞いでたもんですから、戦闘機であればやはりGUNが欲しいとばかりに、こっちは真鍮管を仕込む小細工で強調(笑)。主翼前縁はもうちょい尖らせても可。主翼といえば、接着時に上反角がちゃんと出るように、テープなど適宜使用して、くいっと固めましょう。

キャノピー可動部は例のマルコムフードみたいな枠無しではないよーです。細いながらも前後に枠あり。また実機では密閉度を高めるために?3ピースが合わさる部分のパッキンがわりとめだつ感じ。枠の塗装時に、下塗りの黒をはみ出させるように持っていくのもヨロシね。

曲面などは、うまーく塗料がのると、撮影時にハレーション起すくらいになりますな。組んでる間に気付きましたが、本キットのウインドスクリーンは少し起き気味で、実機はあとほんのコンマ2度くらい(??)後ろに倒れてる気が。だもんで、キットでは余計にハムスター顔が強調されて、この年代機の不思議な魅力的表情を発散しとりますね。

操縦席のすぐ下、左舷には小さなインテイク?らしき部分があって、周囲を四角く赤で塗られているよーでもあります。後日確認課題。←いわゆるNACAインテイク状のものが?

胴体ラウンデルの上あたりの細いアンテナはIFF、味方識別装置のそれ。とりさんが以前に使ってみえた、ファインモールド製「1/700 海上自衛隊護衛艦用ホイップアンテナセット」の金属アンテナを、長さ調整して使用。先細りになってて良い感じです。指先刺傷注意(血)。

主翼エアブレーキは、内部を少し暗調に塗ればよかったですねぇ。Mk.3標準型だと、ナセル上面右寄りに、キットに入ってるエアアウトレット部品を装着、また後部左寄りにはもっと小さなアウトレットがあるようなんで、これはプラ材で自作。下面のアウトレット類のでっぱりが眠いモールドになってますが、ま、下ですからそのままで。(^^;  排気口部はキットにある短いほうの部品を。

主翼上面の黒いWalk Wayライン、この手のデカール貼りはキライ。(^^; 線が歪むは余白処理が面倒だわ、どうも好かンです。

こっちは最初からキャノピーを開けるつもりだったんで、操縦席内も多少は手を加えましたが、側壁のカーブが上下方向にわりとキツイので、外からそう見えるもんでもないですね。ま、こんなもんでしょ。照準器レンズ部デカすぎ(汗)。銃を抱えた戦闘機、その心意気ということで。(^^;  シートベルトは付属のデカールをプラペーパーに貼ってから切りだして。切って曲げてるうちにデカール剥がれてきますが、それはクレオスの「メタルプライマー」を筆でデカールをカバーするように塗っておけば、ある程度防げまっせ。

画像では例によって誤魔化されて(笑)、結構なメタリックに見えてますが、さてなぁ(汗)。リベット類が幾分キラキラして見えるのは、8番塗ってからエナメルの薄め液染み込ませた綿棒で全体をこすってまして、その時に銀の粒子が凹部に入り込むからですね、たぶん。

いかにも空気抵抗デカそうなエンジンナセル。(^^;  こっちの機体は胴下増槽をセットしてみました。

すごく英国的匂いのする機体だと思うんですがね。ちょっと見は野暮いんですが(笑)、実は野暮だけじゃなくって何かさらに深いものがあるような。

さてここで、またネタに戻ってと思ったんですけど、考えてみりゃホームズ物って推理小説ですからして、ネタバレになることは書いちゃダメなのがお約束ですわね。う〜ん、惜しい、なにも書けない。ヽ(゚∀。;)ノ ←それを狙ったんかい?

ただ、ホームズ氏の推理というのは常に、見るべきものを見、理解すべきを理解し、導かれるべき事実を導くという、実に理路整然とした手法であって、決して超能力やなんかではありませんね。その思考パターンについて、1枚のモノクロ画像から多くを読み取ろうとするこの趣味領域の数奇者は学ぶところ大かな、と。妄想も楽しいですが(笑)、裏付けのある推理は他人まで引き込んで心を動かすこともあるでしょう。とまあ、そんなことで(逃)。ちなみに、これ以上は無いだろうというホームズ役者、故ジェレミー・ブレット氏演ずる映像では、各物語の筋を多少いじってありましたが、あの倫敦の再現といい、彼らの演技といい、わたしゃ好きですよ〜。はい〜。(^^)v

「──したがって生まれてはじめてというこのおもしろい事件を、むなしく逸したかもしれないんだからね。そう、緋色の研究というやつをねえ。いささか美術的表現をつかったっていいだろう? 人生という無色の糸かせには、殺人というまっ赤な糸がまざって巻きこまれている。それを解きほぐして分離し、端から端まで1インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、僕らの任務なんだ」

現行文庫の巻末にある「改版にあたって」で、すでに亡くなられた訳者のご子息が書かれてますが、原題「A Study in Scarlet」の「study」は、「研究」よりもむしろ「習作」の意味が適切かということで、これをもって今回の「銀の習作;A Study in Silver」の終了とさせていただきます。いや〜、まだまだですなぁ、塗り。(^◇^;)  ぢゃ、また次もよろしく。(例の物悲しいバイオリンのテーマ曲にのって、ビクトリア朝風の馬車で去る)


<参考文献> 

(2004年12月20日初出)


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