紫電〜。思い起こせば遥かな昔、旧オータキの1/48キットで主翼付け根フィレット部をパテ盛り上げてコテコテ整形、そこで挫折したプチ・トラウマ?機種への再挑戦ではあります。(^◇^;  よって今回のお題目は「紫電は決して鈍くも不細工でもなく、実にカッコイイのである!」を主題に。←最初から無理を抱えるヤツ

マーキングは日の丸海軍機の通例で地味。どの機体を選んでもそんなに変化なしということで、海軍戦闘機隊の総本山なわりに機番やマーキングがはっきりわかる写真が極めて少ない横空機で。不時着姿が撮影されてますので(損傷少なめ)、その背景をこれまた例によって妄想譚で膨らませてしまへ!という仕立てでありますね。うひ。

機体は個人的な印象によく合うハセガワ製1/48。同スケールの疾風より以前の設計とも聞きますが(バッティングで製品化・発売を遅らせた?)、一見すると太くて鈍い印象の紫電が実は持ってる流麗さや鋭いラインをいちばんよく表現してるんじゃないかしら?と。でもって塗り方面のトライは、他の機種に使うつもりでいたクリアー塗料の重ね塗り(本機の場合はクリアー緑、クリアー青緑やクリアー青、スモーク、クリアーオレンジ等)。ま、結果はたいして代わり映えしませんでしたがね、わははは(涙)。

デカールが日の丸の赤など結構よい色具合にみえたので使用、しかしオーバーコートのクリアがけで逝ってしまって梅干状態@シワシワ、その手当でほとんど2機分の手間と時間がかかったのが大敗因。工作面ではデフォルト的にプラグコードや脚回りなどチマチマと。20mm銃身とピトー管はファインモールド社の金属製で。この時期の日本機は脚付近で黒く塗ってある部分(鋼製部品?)があるので要実機写真確認。(今回一連の模型写真、上側面濃緑のアヤを見せようとの意図でホワイトバランスを決めてるので、勢い周囲が少し明るく浮いてるわけで。タイトル帯背景の青なんて、現物は濃紺〜群青系なんすけどね)

フィギュアのお題は空へ向かう戦闘機乗りのところへ駆けつけて、御守を渡そうとする基地雑事動員女子の図。設定は昭和十九年初冬ということで、連日の本土大空襲がいよいよはじまる辺り(成都を発したB-29の八幡製鉄所空襲が十九年六月、マリアナからの本土初空襲@東京が同年11月24日)。本土防空戦における飛行服の日の丸印は、昭和二十年になってからの不幸な出来事が由来ですのでこの時期にはまだ無し。同様に、婦女子に鉢巻きさせるのも案としてはありましたが、イマイチやり過ぎと思えて却下。乗員のフィギュアは、ICMのRAFセットでスピットかハリケーンに乗り込もうとしてる蛇の目パイロットをいじったヤツでし。ちと短足に加工し過ぎたかも?(汗)

機体の濃緑はフィリピンで放置された機体のカラー写真等も参照しつつ、青味のあるオリーブグリーンな印象で調整、深みをだすべく前述のクリア系を重ねてみたり。日の丸赤や識別帯の橙黄色、ペラ赤褐色等はいつもより暗調に。下面はかすれたような銀で、無塗装なのか薄灰塗りなのか光の具合でよくわからなくなる(?)塩梅に。

この小さな机上空間へ「風」を封じ込めるというのも別機種で予定してる事項でして、これもクリアー塗りと同じく試行目的で。(^^;  白いマフラーというよりむしろガテン系@首に巻いてる白タオルという件は却下。(^◇^;

(当然ながら、以下のお話は全くのフィクションです)

〜いつの時代か、どこの国かでのお話〜

「じゃあ、行ってくる。」
「気をつけてね。武運長久なんて言わないけれど、明日は埠頭までちゃんと出港を見送りに行きますから。」
「またおかしな連中が邪魔しないといいんだけどな。」
「かまわないわよ、あんなの無視無視。そうだ、これ持ってって。」
「なんだこれ、御守か?」
「そう。死んだお祖母ちゃんがね、『お前の母さんの時代は必要なかったけれど、お前達には必要になる時がひょっとしたら来るかも知れないから』って孫の私に。大戦の時に、お祖母ちゃんがお祖父ちゃんへ渡したやつなんだって。ひとつはお祖父ちゃんに、同じのをもうひとつ自分で持ってて。だからこれはお祖父ちゃんが持ってたほう。もう片方は私が持ってますから。」
「へぇ、そうなんだ。その話は初めて聞くなぁ。きみのお祖父ちゃんっていうと、あの海軍の──」
「そう、終戦まで生き抜いた戦闘機乗りですよ。最後は不時着で海軍病院に入院したまま終戦だったみたいだけれど。」
「じゃあ御利益ありそうだな、ありがたい。もっとも今回は砲火をくぐるなんてことにはならないと思うが。」
「何言ってるんですか、海尉さん。くれぐれも気を緩めないで。国際政治学をかじった私に言わせれば、へたするとキリスト教圏とイスラム教圏との厄介な対立になりかねないんですってば。その真ん中で、外からみればどちらにも属さない、妙に無宗教なこの国のフネがあの海に浮かんでるってこと自体が大切な意味を持ってるのよ。そのことをよく分ってるか、それとも無意識にかは別として、妨害しようとする連中は必ず出てくるわ。なんとかしてこの国の旗を下ろさせようとするに違いないと思うの。だから、気を引き締めて。常に備えよ、でしょ。」
「アイサー、了解いたしました、司令。ではただいまより出立いたします。敬礼!」
「もう、ばかね。」

──まったく、いつもあの調子なんだから。ホントはね、国際関係なんてどうだっていいのよ。ただ無事に帰って来てくれたらそれだけでいいの。わかってるのかしらね。お祖母ちゃん、お祖父ちゃん、どうぞあのひとをよろしくお守りくださいな。実は安産の御守だったってことは内緒のままにしときましょ。そそっかしいのは我が家の家系だわ。何十年経ったって──

↑右舷カウルフラップ部につく空気取り入れ口、部品をピンセットで「ピンッ!」とすっとばしてなくした(涙)ので自作。ここだけちゃんと管に化けてますが、開口部が前に向くから結果オーライということで。(^◇^;  折角の紫電なので脚を強調するために落下タンクは無しで(最後までぶら下げるかどうか悩んだり)。

とまあ、毎度ながらの御粗末様でした。m(_ _)m

<参考文献> 

1)WWII 日本機モデラーズハンドブック3 日本の戦闘機 Modelart No.724;モデルアート社、'07年刊
  このハセガワ製1/48紫電を作るには、たぶん一番と思われる製作記事あり。図も豊富で満点っぽいでき。

2)日本海軍局地戦闘機 紫電/紫電改 Modelart No.304;モデルアート社、'87年刊
  この機種の増刊はNo.587('01年)でも出てますが、今回の実機写真は旧版にあり。

3)世界の傑作機 強風、紫電、紫電改 No.53('95)、No.124('08);文林堂
  これも新旧ありで、まあ両方あればそれにこしたことは無いでせう。旧版のほうが紫電の扱いは多めか。

4)日本海軍航空隊 軍装と装備 Modelart No.655;モデルアート社、'04年刊
  日本海軍航空隊の様々な姿が山盛りの図解と写真で。空前にして絶後な気がしますな。

5)丸メカニック No.21 紫電/紫電改;潮書房、'80年刊
  後年コンパクト版も出てると思いますが、手元のはオリジナルのやつ。ハード面の解説はやはり必須か。

その他、本土空襲関連本や海軍航空隊本のあれこれなど。今回はネット上にあまりよい資料なしでした。

(2008年3月18日 初出)



SEO対策 ショッピングカート レンタルサーバー /テキスト広告 アクセス解析 無料ホームページ ライブチャット ブログ