艦載機コン参加品


ギリギリで第二次大戦に間に合った英国ジェット戦闘機の嚆矢、ミーティア。戦後そのF Mk.3のうち2機(EE337、EE387)が、艦上機としての装備を施されて運用試験に。その2機のうちの1機が今回のお題。不要な装備を全て下ろしていること、またエンジンを強力なものに換装していることで、おそらく短ナセルのミーティア全二百数十機中では最高の性能を発揮したであろう2機の片割れEE337号機であります。

*謝辞;今回もまた、mayonaka卿には多大なる資料支援をいただきました。感謝深大、です。m(_ _)m

「着艦ヨーソロー」、着艦フックは、シーホーネットのA形フックを流用した由。艦上試験中は主脚扉は外していたとのこと(ワイヤがひっかかる恐れあり、で)。試験に使われた母艦は「HMS Illustrious」「HMS Implacable」の2隻。本機については48年に引き渡され、ファンボロー経由でインプラカブルへ飛んで、英国海峡での計32回におよぶ着艦試験に供されたと。フラップを拡大したらもっと離着艦性能あがるべ?などと評価されつつ(つまり改善の余地あるも艦上運用に支障はないとのことでしょうか?)、その後は52年までFord基地で評価。55年には海軍仕様2機ともスクラップとのこと(涙)。

こんな絵↑だとそのフラップを下ろしたくなりますわね(←やれよ)。着艦フックはちょうど手元にクラシックエアフレームのシーホーネットがあったので、それを参考に。あとはWarpaint本でホーネット/シーホーネット本が出てますんで、それもちらりと。で、実際は作例よりも長めなフックだったかも(写真でみると)。ただあまり長くすると、バランスが悪くなるのでそこらはどこかで上手く折り合いをつけることになります。このページトップの絵はお馴染みレゴの海賊フィギュアから。ほら、海賊船長の左手が。だいたい古い海軍はその成り立ちにおいて、海賊をまとめて戦力化してるのが多いってのはさておき。

海軍機の後ろ姿。複雑な曲線で構成される尾翼が、過渡期のクラシックさを醸し出す角度。なんたって、まがりなりにも44年中には実戦に出てた機体ですもんなぁ。見方を変えれば、この古風さをスッパリ絶ち切ってMk.8に発展、脱皮していくわけですね。

ペンギン塗りが意外によくお似合い。艦載試験2機のうち、もう1機は銀塗装なので、この機がonly oneのペンギンミーティアでしょうか。

こうして側面でみるとウインドスクリーンの後傾がわずかに不足気味で(可動部の背が高い?)、愛嬌のあるハムスター顔が少し強調されてますな。ヒゲを描きたくなる?(笑) 

上面色はブラックグレイをベースにしてエキストラシーグレーのコテコテ塗りで、下面は英空軍機カラー3本セットのスカイをベースに、それに白を加えたもので調子を。スミイレの類いは、パネルラインに沿って薄いメタリックグレイ少々、鉛筆でちょろちょろ。

マーキングは「ダッチデカール」K4/12: RAF Postwarシート(http://www.dutchdecal.nl/kaw.htm)とキット付属デカールのミックス。艦載試験機2機はエンジンがダーウェントV(後のロングナセル型に積まれたやつ)になってまして、写真でみるとナセル上面の小さな排気出っ張りがありません。操縦席後部防弾板も外してるかも、ですがシートやベルトとの関係でそのまま。

腹。↑画像でフックの向きがゆがんでるのは(汗)、輸送時を考えて取り外し@差し込み式にしてあるからですね。あちゃ〜。←撮るときに気付けよと小一時間(略
フック自体は真鍮管で細工、基部胴体補強部等はプラ材。ん〜、やっぱり少し短すぎたかしら(汗)。

フックの他には前脚扉に謎の把手が2つ。機銃は下ろしてて銃口に整流カバー。無武装だからということで、照準器もつけて無いですわ。IFFも下ろしてるようで、そのアンテナも写真では見えません。脚回りはブレーキ含めて強化されてるよーですが、外形的変化のわかる資料がなくてキットそのまま。(^^;

そんなことで、戦後ジェット化していく軍用機、艦載機でも同じことですが、英国はいろいろ悩んでますわね。様々な機種を艦載化してみたり、あるいは母艦の甲板をゴム引きにして(?)、脚なしのバンパイヤを着艦させてみたり。そんな風に悩んでるってのは、ある意味で悩んでてもいい余裕、別の見方では「これだ!」という手駒が無い事態。(^^; およそペンギン・ミーティアが急速に増殖することは無かったわけで、結局朝鮮戦役時の英母艦上にはシーファイア、シーフューリー、ファイアフライというレシプロ機たちがぶんぶんペラを廻していたのでした。「いくさには勝ったけどなぁ(溜息)」、そんな大戦後の大英帝国へ思いをはせるにも良き機体ではありますまいか。

ネタも無くってお粗末様でした。(^^;  とにかくこの塗装のミーティアが居たってだけで、勝手に盛り上がって作ったもんですから。わははは(汗)。


<参考文献> 

他、先に書いたようにmayonakaさんに見せていただいた支援資料多数。これなくしてペンギン機は進空できず。謝。

(2004年12月20日初出)


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